こしばゆういちのブログ

理系院卒→ハードウェアエンジニア→HR人材開発マネージャー

DXして後悔する方法

「んもー!なんでこんなことになっちゃったの!」

こんにちは、DHLサプライチェーン株式会社で、Lerning & Development Manager(日本語で言うなら、人材開発担当マネージャー)をさせていただいております、小柴です。DXをテーマに、2回ほど、ブログを書かせていただきました。

yuichi-koshiba.hatenablog.com

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今回は、DXやる気満々な皆さんに、私が過去、経験したことや見てきたことを共有することで、「やらなきゃよかった!」と見事に後悔できる方法をご紹介しましょう。

後悔する手っ取り早い方法二選

とりあえず、手っ取り早く大後悔する方法Top 2をお伝えしましょう。

第二位は、はやくやめたい業務からDXすることです。忙しい皆さんは、日々多くの業務に追われていることでしょう。中には、なんでこんなことやってんだっけと思いながらやっている業務もあるはずです。そんな業務はDXしちゃいましょう。

そして第一位は、巷で流行りのシステムをとりあえず導入することです。高いもんであれば高機能だろう、ということで、高額なものを何も考えずに入れれば入れるほど、後悔する確率が上がりますので、おすすめです。HRの皆さんであれば、テレビのCMから、そしてタクシーのタブレットから、人事管理システム(Human Resource Information System, HRISとよく略されます)の情報が、わんさか入ってきているはずです。もう、とりあえず、導入しちゃいましょう。

問題を解決するフレームワーク

なぜ、上記2つが後悔する方法なのでしょうか。DXには、「新しい価値を創造する」「コストを下げる」という2つの側面があることを1つめのブログで投稿しました。まずはこれら2つが、どちらも問題解決に取り組んでいる行為である、ということを理解しましょう。そして、それぞれについて、問題解決のフレームワークを紹介していきます。

新しい価値を創造する問題解決フレームワーク

新しい価値を創造するというのは、前例のない課題や未知の課題を発掘し、解決していく行為です。課題自体を発掘すること自体が難儀で、それができるのは頭が柔軟なプロ以外いないと思う方もいるかもしれませんが、参考となるフレームワークがいくつか存在します。その中の一つが、デザイン思考。新しい価値を創造する、という分野では右に出るものはいないであろう、デザインコンサルティング会社のIDEO社が提唱している問題解決のフレームワークです。

designthinking.ideo.com

詳細には踏み入れませんが、彼らがまずしていることは「共感すること」。課題をそもそも発見するために、ユーザーにとことん共感することから始めます。インタビューを何回も重ねることもあれば、いっそ自分自身がユーザーになって体験を重ねることもあります。そして取り組むべき課題を定義した後、解決策をいっぱい出して、最適と思われたものをプロトタイピングし、テストします。

コストを下げる問題解決フレームワーク

コストを下げる、ということは、当たり前ですがすでに「問題」となっているコストが存在するからこそ行われることです。これはテッパンの問題解決のフレームワークで考えて差し支えないでしょう。いろいろな書籍や研修であふれかえっていますが、すべておおむね、以下のようなフローです:

  1. 取り組むべき問題を特定する
  2. 原因を分析する
  3. 解決方法を検討する
  4. アクションプランを作成して実行する

フレームワークから見える後悔の極意

さて、これらの問題解決フレームワークの中で、DXが出てくるのはいつでしょうか。「よっしゃやるか」と思った、その最初の時からでしょうか。たぶんもう皆さんおわかりいただけたと思いますが、DXというのは解決策の1つでしかありません。今回紹介したフレームワークの中で、解決策の検討をしているのは、だいぶ後ですね。つまり、DXを考える前に、考えるべきことがある、ということです。はやくやめたい業務は、そもそもそれをDXを使って取り組むべき問題なのでしょうか。高いシステムを入れる予算があるとするならば、それはすばらしいことですが、何を解決したいから入れるのでしょうか。それを全く考えずにやることが、後悔に突き進む極意です。

そもそも、その仕事は必要か

私は、とんねるずさんの「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」が大好きなのですが、その中で日本エレキテル連合がやる工場シリーズのネタが大好きです。「だめよーだめだめ!」でバズった方々です。

www.youtube.com

とりあえず、彼女たちのYoutubeチャネルを貼っておきました。残念ながら著作権の関係で観ることはできませんが、ざっくりいうと、工場で流れ作業をしている2人がいて、「まずあなたがここにネジをいれます。その後すぐに私がネジを外します」と言って、下に落ちていきます。

ネタとしての完成度が高く、「意味ないじゃん!」と大爆笑なのですが、今のご自身に「意味ないじゃん!」ということは起きていたとしたら、他人事ではありませんね。やったのにその後誰にも見られることのない資料の作成など、それをDXする方法を考える前に、さっさとやめるべき、と私は思いますが、日本エレキテル連合のようなネタ作りに励みたい場合は、どんどん取り組みましょう。

そうそう、実は、仕事の8割は、捨てていいらしいですよ?

www.amazon.co.jp

そんなわけで、今回は、DXをして後悔する方法をお届けしました。ぜひお試しあれ!