こしばゆういちのブログ

理系院卒→ハードウェアエンジニア→HR人材開発マネージャー

HRチームのデジタライゼーション意識が向上した3つの理由 (2) - 「うぉー!できたぁ!」を巻き起こせ!

こんにちは、DHLサプライチェーン株式会社 (DSC) で、Lerning & Development Manager(日本語で言うなら、人材開発担当マネージャー)をさせていただいております。

前回のブログに引き続き、HRチームのデジタライゼーション意識が向上した理由、というのを書いていきたいと思います。

前回は1つめの理由として、「上司がアシストをしたこと」について書きました。どのようにして活動がキックオフしたのか、キーとなる人物(自分のことをこう言うのはどうなのと思いつつ笑)に何をお願いしたのか、そしてモチベーションを保ったのか。非常に上から目線の記事となっております。

yuichi-koshiba.hatenablog.com

今回は、2つ目の理由、「小さな成功を祝ったこと」。これは、実際に担当者の業務をデジタライゼーションするにあたり、その方々のモチベーションをどう向上していくのか、ということです。

すぐできることを、あえて遠回り

前回申し上げた通り、Aさんのとある業務のデジタル化をサポートし始めた小柴、その業務とは。

社内で社員の異動を行う際、新しい上司になる予定のマネージャーは、自身のまた上司、上上司の承認をとる必要がありました。過去、マネージャーは「異動申請書」PDFに必要事項を記入し、上司と上上司の電子署名をもらって、担当のHRBP(HRビジネスパートナー)にメールで送付していました。

あれ、見たことあるな、と思った方は、前回の私の記事を読んで頂いてるってことです。そう、前回の記事で私がした自動化(社内の英語学習プログラム参加者申請)の、自動化前のフローの文章をコピペして手直ししただけです。まぁ、だからこそ、私の上司は「同じ仕組みでいける!」と思ってくれたのでしょう(ありがたや)。

そんなわけで、一番手っ取り早い方法は、私の自動化テンプレートを「はいっ」とお渡しして、軽く修正することなのですが、あえて私はそうしませんでした。

1つに、実活用フェーズに移った際に、担当者自身で問題解決ができなくなるから。細かい仕組みは私しかわからないわけなので、途中でエラーが起きた際には、すぐに小柴に回ってくることになります。そんなの、嫌だったのです、単純に笑。

2つに、担当者が自分で本当はできることを広げられなくなるから。前回の記事でも記載の通り、あくまで、業務の自動化をしたり、考えたりするオーナーは、今までの担当者です。なので、できあがっていく過程をあえて経験することで、「あんなこともできるんじゃないか」と、想像を膨らませられるようにしてほしかったのです。

「うぉー!できたぁ!」の場づくり

まず私が"一緒に"やったことは、これです。Formsで書き込まれた内容を、SharePointにおいてある管理Excelに書き込む

これ、本当に出発点としてはオススメ。「申請」と名がつく業務フローにおいて、可用性が一番高い。しかも、何も知らない人でも、30分もあれば環境構築から実際に動くところまで画面を見ながら一緒にできて、その仕組みも十分に理解ができます。

そして何より効果的なのは、「え?もうできたの?マジかよ!」という、感動と成功体験を短時間でプロデュースできることです。

「うぉー!できたぁ!」と思わせたら勝ちです

ちょっとかじってる方からは、

SharePointサイトでも申請フローって作れるじゃないですか」

SharePoint Listってのがあってね、その方が管理能力が高くて…」

「信頼性を保つためにも、まずはデータの構造を…」

なんて声が聞こえてきそうですが、ダメダメ。手っ取り早く「うぉー!できたぁ!」を体感してもらうためには、みんな知ってるFormsとExcelで決まりです。データのあるべき論を語るのは、後回し(でもこれも重要なので、別途記事書きたいかも…)。

「できたぁ!んじゃあ、次は〇〇をやってみましょうか!」

と、小さいな成功を積み重ね、範囲を広げていったAさんが今できることは、条件分岐、For Each、文字列操作、そして配列変数。「すごいですね!今やってることって、大学の情報科1年生がやっていることですよ」と言えたのは、少しオーバーかもしれないけど、事実です。

内発的動機づけと成功体験

社員に、何かに対して取り組む動機づけをする手法として、外発的動機づけと内発的動機づけの2種類があるのは、結構知られている話だと思います。今回、Aさんの立場からすると、私の上司のアシストにより「一緒にやってみて?」という外発的動機付けから始まったのです。

ここで、私が果たした重要な役割は、内発的動機づけを成功体験の積み重ねで育んだことなんじゃないかな、と思います。Aさんをはじめ、今チームでいろいろなデジタル化を自ら取り組んでいるチームメイトからよく聞くのは、

「意外と簡単にできるんだと思いました」

「Power Automateが楽しい」

「次、〇〇を、こういう仕組みで実現しようと思いまして、、」

という発言。外発的動機だけでは生まれない発言だと思います。今回、記事を書いていて、セオリー通りな説明できることってあるんだなぁとしみじみしています。どうやらエンハンシグ効果、っていうらしいですね。

外発的動機付けがキッカケで内発的動機付けが高まり、モチベーションが上がることを、エンハンシング効果といいます。

外発的動機付けを内発的動機付けに変化させる方法として「褒める」という方法があります。

mitsucari.com

ということで、やっと2つ目の記事を書き終えました。3つ目、うまく書けるかな…。